口紅は何からできているのか?
こんにちは!元化粧品会社研究員のしじみ(@shijimiol)です!
今日は口紅の基本骨格を紹介します。
口紅は何からできている?
口紅は主に以下の3成分からできています。
- ワックス(固形の油)
- オイル(液体の油)
- 顔料
これら3成分がカードハウス構造を作っています。
カードハウス構造とは、ワックスがトランプタワーのように積み重なり、そのスペースにオイルと着色剤が閉じ込められているようなイメージの構造です。
このカードハウス構造はトランプタワーのように、力を加えると崩れてしまいます。
口紅を唇に押し当て、スライドさせると形を保っていたワックスが崩れ、中のオイルと着色剤がしみ出します。
ワックスが崩れ中のオイルと着色剤がしみ出すことによって、唇に色やつやが付与されます。
口紅の全成分表示例
【ちふれ 口紅 421】
実際の商品では、例のようにワックス、オイル、着色剤の他に
酸化防止剤や保湿成分、美肌成分、使用感や経時安定性を改善する原料(シリコーンやペースト状の油)が配合されています。
ちふれの口紅は余計な物を入れないシンプルな処方です。商品のコンセプトや会社の方針にもよりますが、化粧品はシンプルな方が良いです。
だって、原料の種類が多いと面倒くさいから!!
少ない原料の組み合わせで質の良い化粧品を開発する事が重要なのです。そういった意味では、ちふれの商品はとても優秀ですよね!!
口紅の骨格ににている化粧品
口紅の骨格は他の化粧品と似ています。
- 着色剤をなくせばリップクリームになります。
- ワックスやオイルの割合を減らし、着色剤の種類を変えると油性固形ファンデーションや油性固形クリームチークになります。
- ワックスを増粘剤に変えるとリキッドタイプのリップになります。
カードワックス構造は様々な化粧品に応用されています。
よく見ると、違う化粧品にも共通した原料が使われています。
口紅開発の苦労
みなさんどんな口紅が好きですか?
つやがあって、なめらかな塗り心地で、落ちにくくて、唇に優しいやつ!!
おそらく多くの人がこう思うのではないでしょうか?
このような口紅を実現するために、
口紅の開発というのは物理的に不可能なことや矛盾した特徴の両立との闘いなのです。
口紅はある程度の堅さと耐熱性を持っていなければなりません。
口紅を塗ろうとして簡単に折れてしまったり、夏になったら溶けてしまったりしては困りますよね。
また、高温状態と低温状態を繰り返しているとカードハウス構造の中のオイルがしみ出てくることがあり(発汗と言います)、これがかなり厄介なのです。
実際の生活においては夜と昼、屋外と屋内の温度差があって当たり前ですから。いくら使用感の良い、唇に優しい口紅ができたところで簡単に発汗したり折れるものは商品にはできません。
堅さや耐熱性を上げるには、固形であるワックスの割合を増やし、液体であるオイルの割合を減らすという選択肢があります。
しかし単純に堅くすると強い力を加えないと塗れなくなり、唇に負担がかかります。つやもなくなります。
弱い力でなめらかに塗ることができ、体温でとろけるようなやわらかい感触で落ちにくい口紅とは、普通に考えれば矛盾しているのです。
その矛盾を解消し、不可能と思われるものを作り出すのが研究員の仕事なのです。
個人的オススメ口紅
定価:税込 4,320円 全15色
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実は、とにかく柔らかな肌触りでとろけるような口紅って、個人的にはあんまり好きではないんですよね。塗り心地の軽さ=ずるつき、密着感のなさ と感じる事がありまして・・
なので私は、程よく堅さがあるけど摩擦感が強すぎない、密着感のあるような口紅がすきなんですね。
(柔らかすぎるとつやを通り越してテカテカになるし、減りが早いし・・・)
そんな私が一番好きな口紅がSUQQUなんです!
普段は断然プチプラ派なんですが、これは買ってしまいました。
柔らかすぎず密着感&発色が良いです!!
つやも程よくて下品な唇になりません。(天ぷら食べた後みたいな・・・)
気になる人は是非おためしあれ^^